センターより

病気になる前に改善しよう

「上医は未病を治す」とは古くからある東洋医学の考え方で「名医は病気になる前の状態を良くして、病気を起こさせないようにする」という意味です。

未病とは、ある特定の病気になる前の状態で、一般的には健康と病気の間くらいを指すことが多いようです。代表的なものとしてメタボリックシンドローム(メタボ)が挙げられます。メタボは腹部肥満に高血圧、高血糖、脂質異常のいずれか2つがあてはまった状態を指します。薬を飲んで治療するほどではない軽度の異常であっても、それらが重なることによって心臓病や脳卒中などの循環器疾患が起こりやすくなるという、まさに未病の状態を示しているのです。

また、毎年健診を受けることで未病を発見できます。検査で異常が出てなくても、変化によって病気を予測し予防することが可能です。心筋梗塞や脳梗塞は、ある日突然起こるように思われがちですが、実は症状が出る前から、高血圧や糖尿病などによる動脈硬化が徐々に進行しているのです。毎年健診を受けることによって、心電図や眼底所見に変化がないかどうか確認したりすることが大切です。

さらに、日常生活の中でも未病を発見することができます。階段を上ったり、坂道を急ぎ足で歩いたりする際に息切れや動悸などの症状はありませんか?こうした症状に気が付くことで、大きな病気を未然に予防できる場合があります。「未病を治す」ことは、一人一人が自身の主治医になって、食事、運動などの日常生活を管理することで得られます。みんなが”名医”になって、生活習慣病を予防しましょう。

出典(2019年1月29日福島民友新聞掲載 みんゆう健民通信 コラム健康ばなしからだとこころ)

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