センターより
時間だけでなく質も大事
平成29年国民健康・栄養調査の結果では、睡眠時間が6時間未満の人の割合は、20歳以上の男性の36%、女性の42%と報告されており、男女全体の約2割が「睡眠で休養が十分にとれていない」と感じています。健康によい睡眠時間というのはあるのでしょうか?
実は、適切な睡眠時間というのは特に決まっていません。しかし、4時間未満及び10時間以上といった、極端に短いか長い睡眠時間の人は7時間程度の人に比べて亡くなりやすいことが国内で報告されています。極端な睡眠時間でなければ、自分にあった睡眠時間で大丈夫と考えられています。就寝時刻を一定にして睡眠リズムを整えることが大切です。急に寝つきが悪くなった、夜中に目が覚めて眠れない、朝起きたときの熟睡間がないなどの症状が出てきた場合は、何らかの心や体の不調が起こっている可能性があります。
睡眠は時間だけでなく、質も健康と関係しています。代表的な例がいびきです。他の人の迷惑になるような大きいいびき、苦しそうに思えるいびきは、身体にかなりの負担がかかっていることが明らかになってきました。いびきが急に止まり、10秒以上呼吸がなかったかと思うと、また大きないびきをかいて呼吸を再開するような場合は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群かもしれません。無呼吸症候群は昼間の眠気を引き起こして交通事故の原因になること、高血圧や心筋梗塞などの病気を招くことも分かっていますので要注意。特に、中年以降の男性で肥満気味の方でいびきは起こりやすくなります。いびきを減らして睡眠の質をよくするために。体重を適正に保ち、過度の飲酒を控え、あおむけ寝を避けるようにしましょう。
出典(2018年11月29日福島民友新聞掲載 みんゆう健民通信 コラム健康ばなしからだとこころ)