センターより

たまるはずない場所に蓄積

「体脂肪」というと、よく耳にするのは、「内臓脂肪」や「皮下脂肪」ですが、最近、第3の脂肪といわれている「異所性脂肪」が注目されるようになってきました。

内臓脂肪はおなかの中に、皮下脂肪は皮膚の下と筋肉の間に脂肪がたまっているのに対し、異所性脂肪は肝臓、すい臓、心臓、筋肉やその周囲など普段は脂肪がつかないようなところにたまってくるのが特徴です。これは、皮下脂肪や内臓脂肪の脂肪組織に入りきらなくなった脂肪が“本来たまるはずのない場所”に蓄積されたものと考えられています。

異所性脂肪の一つに肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」があります。脂肪肝が続くと肝硬変や肝がんの原因になる場合があることに加え、心筋梗塞などの循環器疾患が起こりやすくなることもあり注意が必要です。また、すい臓に脂肪がたまれば糖尿病になりやすくなり、心臓およびその周囲に脂肪がたまれば心筋梗塞になりやすくなるなど、異所性脂肪はさまざまな生活習慣病と関係していることが分かってきました。人間ドックなどによる腹部超音波検査や腹部CT検査などで脂肪肝を指摘された方は、異所性脂肪がたまっている可能性が高いと考えられますのでより積極的に対処していきましょう。

では、異所性脂肪を減らすためにどうしたらよいでしょうか?異所性脂肪は内臓脂肪と同様に食べすぎを控え、定期的に身体を動かすことで減らすことができます。桜をはじめ、さまざまな花が咲く時期になりました。皆さん誘い合って、積極的に戸外に出掛けて身体活動量を増やしましょう。

出典(2019年3月30日福島民友新聞掲載 みんゆう健民通信 コラム健康ばなしからだとこころ)

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