センターより

喫煙はストレス解消によい?わるい?

喫煙は肺がんや食道がんなど多くのがんの原因になるだけでなく、心筋こうそく、脳卒中、認知症など様々な病気を引き起こすことは皆さんよくご存知だと思います。一方、ストレス解消のためにタバコを吸っているという人もいらっしゃると思います。では喫煙はストレス解消に本当によいのでしょうか?

禁煙した後にストレスが増えるかどうかを検討した26の報告をまとめて分析した研究(英国医師会雑誌2014年)では、禁煙した人の半年~1年後のストレス状況を喫煙し続けている人と比較しました。この結果、喫煙し続けている人に比べて、禁煙した人は不安やストレスが減り、うつ症状が改善し、生活の質がよくなり、ポジティブな感情が増えていました。さらに興味深いことに、喫煙を自分でやめようと思ってやめた場合でも、人から言われてやめた場合でも、どちらも同じようにストレス軽減効果がみられました。したがって、禁煙することでストレスが増えることはなく、むしろ軽減する可能性が高いことがわかりました。これは禁煙することでニコチン依存症によるイライラを解消できることが要因の一つと考えられています。タバコの煙を吸うよりも、外に出て福島の自然の中の美味しい空気を吸う方がストレス解消にはよいですね。

出典(みんゆう健民通信 コラムこころとからだ 福島民友 2017年9月30日)

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